今日は、昔から好きだった人の舞台を見に行く。
今川宇宙ちゃん。
宇宙ちゃんの、追っかけをしていた。
けど突然いけなくなった。大好きだったけど、お金がなくなったのが大きい。あの頃は、通いまくってチェキを撮ってグッズを買わないとファンじゃないと思ってたから、それができないなら行く資格がないと意固地になってた。(今はそうは思わないよ)
「今日はいけない」を決めた瞬間の、夜の歩道橋の風景をいつまでも覚えている。友達にも「生活が大事だよ」って諭されたような。随分財布が荒んだ大学生活だったなぁ。
あのとき、ライブに行くのをすっぱりと辞めた日の夜、人生で初めてパンプスを買った。他人を応援することより自分を満足させることにお金を使ったのは久しぶりだった。ライブは諦めたのに6000円の靴は買う、この矛盾が私らしさだなと自分でもおかしかった。
前後は忘れたけど、あの時失恋したのも少し影響している気がする。
とにかく心境の変化があり、すっかり在宅オタクに落ち着いちゃった。
現場からそんな離れ方をしたから、なかなか行く勇気が出ず、5年以上経っちゃった。その間に宇宙ちゃんもアイドルを辞めたりタレントになったり女優になったりしていた。
宇宙ちゃんのSNSはずっとフォローしていたから、告知はよく見ていたけど、今回はなんか、急にね、会いたいと思った。舞台の告知画像に映る宇宙ちゃんの顔を見たら、会いたくなった。会うって言ったって、正確には"見にいく"だ。それでも会いたい。
さいわい、その舞台はまだ席が空いているらしかった。そっこーでチケット予約した。私ってば、ウジウジしてるくせに行動力があるよね。
そこは、大学の近く。だから、帰りに少し散歩でもしようかな、なんて考えていたら風景がどっと脳に流れてきた。4年間み続けた風景。
あの時は何もかもの、いろいろなことがあった。大変だったよな。貧乏に加え怠け者のくせに見栄っ張りの八方美人。今でもたまに「単位が足りない!あの授業一個落としたら卒業できない!おわった」みたいな夢をよくみる。もう何も心配することはないのに。
他大のサークルに出るために歩いた道すがらとか、友達と、ひとりで、歩いた駅までの道。憂鬱な時もウキウキしてる時もあった。ちゃんと経験を、してきた。大変だーと言いながら生きてきたんだな。
そしてわたしはいま、ここにいる。人間関係に不足なし、大変満足した日々。あんなに悩んでた人とは思えないよ。すごくしあわせ。大変だーの日々を超えたおかげ。
宇宙ちゃんもきっと大変だったはずだ。一体どんなふうな、ひとに、なってるのか…。
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舞台、笑って泣いての2時間、とても充実した。
死んだら終わりだよ。謝ることもできないんだよ。そのセリフが妙に刺さった。
死にたいくらい悲しくても今生きている、死んでない、それが事実。
生きる意味を考えて、答えが出ずモヤモヤすることはあるけど、それを見つけるために、とか、幸せにならなきゃ、とか、ホントは無いのにね。
無意識に、偉人の名言や誰かに言われたことに従ってしまっている。そんなものないのに。やらなきゃいけないのは、法律を守ることくらいじゃない?
昨日、お客さんと話したことを思い出した。「幾つになっても、新しいことに挑戦すると人は生き生きするんだね」そう言われた。
今日読んだ本のことも思い出した。「自分のために生きるより、人のために生きることでこんなに人生が変わる」と言っていた。
生きるは、十人十色なわけだ。
死んだら簡単なような気はするけど、明日は?明日はもしかしたら素晴らしい体験ができるかも。死んで終わりにするなんて、やっぱ勿体無いと思っちゃう。
死にたい人に対して、寄り添う、叱りつける、どれも難しい。周りの人ができることは限られる。
話を戻して、、宇宙ちゃんが演じていた強迫性障害の主人公は、愛されていてスゴい。すごいってなんだ、もっと言葉があるだろ。
恋人がどうして彼女のことを好きか、明言はされなかった。「あなたは人の痛みがわかる」別の登場人物が言ってた。それでも、どんないい人だって、パートナーの病気に寄り添うって大変だと思う。自分だったらどうしたんだろうと考えずにはいられなかった。
私の妹も一種の"死にたがり"だけど、はっきりと病気ではないらしい。日常にほんの少し混じるだけ。衝動が起きたとき、会話をし一緒に泣いたけど、正解だったかわからない。なにしろ、妹は家族だ。家族はそうそう簡単に離れられないし見捨てられない。家族を捨てる時はよっぽどの時だ、と思う。これは恵まれた環境なのかもしれない。
パートナーが病気になったからって、私の性格を考えて見捨てられるかなぁ。無理だろうな。最悪パターンは共倒れだ。
そう言うことにならないように、「つよく」ならなきゃなんて思っていた事もあった。何もかもを私が守らなきゃって。それは無理だと言うことを、やっとわかってきた。私1人が強くなっても、しょせん1人ができることには限界がある。
共倒するのは最後の最後だから、それまではきっと頑張れるよ。デスクワークも電話もできないけど、コミュニケーションならやれるからさー。
宇宙ちゃんが、笑い、怒り、叫び、泣き、歌っている姿、全てが魅力的だった。大人になったんだ、天川宇宙じゃなくて、女優の今川宇宙なんだ、とうるうるした。
くそー。もう、もうこれからは絶対目を離さずにはいられない。お金をたくさん落として具体的な応援をすることは残念ながら叶わないけど、好きな女優さんの、いちばんは宇宙ちゃんって答える。行けるときには、かならず会いに行く。会えなくなるかもしれないし。そうなってもいいようにたくさん素敵な姿を見ておきたい。
やっぱり大好きだった。大好きは間違いなかった。どうか生き生きと幸せでいてほしい。
宇宙ちゃんを思い出すとき、ちょっぴり苦しみもついてくるけど、今の私ならもう大丈夫だし。
とりあえずは、10月の初個展を楽しみに私も生きよう。
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