部屋がきれい

ここはわたしのシェルター。萌えを探求するブログです。日々について。部屋はきれいじゃないです。

もうひとつのマイスイート

「大変恐縮なのですが、実は三月をもって退職します」

と、言ったときのお客さんの反応がずっと怖かった。

 

 

 

この3年間、健やかなる時も病める時も仕事でいちばん助けてくれたのはお客さんで、転職する最大の気がかりもお客さんだった。

 

配属された新卒の6月。「研修は終わりです、さぁ営業してきてください」と放り出された。

ドギマギしていたわたしに、わたしのメンター・水谷さん(仮名)がアドバイスしてくれたことはこうだった。

「全員とお友達になろうって思えばいいじゃん」

それだ!

わたしはなによりもまず仲良くなろうと決めた。全員と友達になる気持ちで頑張らないと、人見知りで緊張しいのわたしには人に物を売るなんて無理だ、と思ったから。友達だから売れるというわけじゃなくて、友達くらい大切におもえて仲良くなれてこそ商品に目を向けてもらえると思ったから、とゆーいみです。

私は昔から友達少ないコンプレックスだったので、「お友達を増やそう活動」はすごくはかどった。

毎日会って、いろんな相談事したし、された。実際「友達だとおもおう」と意識していたのははじめだけで、だんだんほんとうに大切だなって思うようになった。友達みたいに仲良くしてくれる…っていうかもはや友達だから、友達を困らせないように頑張ってやらなくちゃ!とおもった。

究極のエゴイズムだなっておもうけどね それが誰かの役に本当に立っているのならいいじゃない やらない善よりやる偽善だ 今なら胸を張って言えるが、自信のない時も多くあった。社会人になってからのブログを読んでいるとよくわかるが、とにかく熱かった。自分の自信のなさに負けないように、奮い立たせていた。

しかも、ちゃんと需要と供給がハマったというのがラッキーポイントで…これは自慢なので聞き流してもらって大丈夫なんですが年間の新規女性顧客数全国でトップとったこともあったし担当企業での新規開拓数もここ10年ではトップだった。

わたしの仲良くしたい!の気持ちをお客さんが受け取ってくれて、それが次々と仕事を呼んだ。やりたいことが成果も生むなんて、本当にラッキーだったなとおもう。担当先なんてたまたま決まっただけなのに。

もし違う企業さんを担当していたら、たぶんこのやり方じゃダメだったと思う。三年目になったとき上司に「いつまでもそのやり方じゃダメだよ」と言われたこともあるし。でも、ダメならやりたくないな、とも思った。

 

 

社会人になって「エーギョの町の」というあたらしい人格ができた。その人格が働くと大抵の人と話せる。本当の私は何も話せないから(ブログに全部書いちゃうくらいだし)この人格には助けられてる。転職してもやっていけると見通し立たせてくれたのも、この人格のおかげ。ひとと話す仕事だったら苦労なくできるから。そもそも転職しようと思ったのも、こぼれてしまう人の役に立つにはこの会社にいるだけじゃダメなんじゃないかと思ったからだし。(あともっとお友達活動がしたかったのもある、お客さんとずっとこれからも付き合いを続けられるような仕事に…って。)

 

ほんとに恩人すぎる。お客さん、本当にありがたいし大好きだった

 

 

 

 

最終出勤日は3月下旬だったんだけど、めちゃくちゃ退職日決まるのが遅くて引き延ばされて(これは愚痴)のこり1週間でアポ詰め込み休みつぶして朝から晩までずっと挨拶回りした。わたしは会社担当として出入りが自由なので、出勤されてる方へ順番にまわっていった。コロナの影響でお電話やメールだけになった人もいた。

たくさんの感謝と、これからも当社のお客様でいてねと言う気持ちが、少しでも伝わるように。かたちあるものが伝えてくれる気持ちもあるよなと思いお手紙書いたりお菓子を用意したりした。逆にハンカチやお菓子を頂いたりしてしまった。そして、「がんばってね」「マっちゃんなら大丈夫」「せっかく仲良くなれたのに寂しい」「なんでー!」「マチノさんだったから契約したんだよ」「いちばん話しやすくてよかったのに…」と、温かい言葉をたくさん頂いた。泣きそうになるのをすんでのところでこらえる。「営業の人って緊張しちゃうんだけどマチノさんには安心して喋れたし、会えたときはいっつも嬉しかったんだよ〜」と言われたこともあった。担当が変わるときに挨拶きたのもわたしが初めてだったらしく「感動した〜」とも言われた。他にも「今度ウチにご飯食べにきなさい」とか「近くに来たら絶対に寄ってね」とか「もう会社関係なくなるならこれからはお友達だね〜」とか、ありがたい言葉をたくさん頂いた。帰り道、まいにちしみじみとした。

ほんとうにず〜っと、心の支えにしてたんだなぁってことを思い知らされた。配属された時はみんな知らない人で怖くてしかたなくて、上司も厳しいしノルマなんて言われてビクビクしてて、絶対に一ヶ月もやっていけない気がしたのにな。ずっとずっとお客さんに助けられてた。

 

 

このブログを書いているとき、ふと「パンとスープとネコ日和」を思い出した。

パンとスープとネコ日和 / 大貫 妙子 の歌詞 (2567841) - プチリリ 

 いまブログのために音源探したけどネットにないみたい…。すごいね。サントラ買いましょう

 

あなたが望んでいたように

うまくは生きられないけど

来るモノ 去るモノ

わたしには宝物

 ここの歌詞が大好き。 

もしもこれから一度も会うことがないとしても、出会ったこと、起きたことはぜんぶ宝物だから。

生きていくだけで、宝物が増えていいね、と思う

 

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お客さんがくださった。ぴえんがちな私